SDGsから考える、持続可能な生き方・働き方とは

SDGsから考える、持続可能な生き方・働き方とは

「社会の役に立ちたい」と思うことは特別なことではなく、当たり前のこと。採用担当になり、就職活動を行う学生の方とお会いする中で、そんなことを思うようになりました。卒業論文のテーマに社会問題を掲げたり、ボランティア活動に励んだり。「社会貢献がしたい」「社会問題から目をそらさない人間になりたい」と思っている学生がほんとうに多い印象です。

もしかすると就職活動で少しでも良い印象を与えたいから、なんて考えている人もいるのかもしれません。それでも、実際に社会問題に触れて、何か得るものがあったり、逆に自身の無知・無力さを感じたり・・・それぞれに何らかの「生きる」ための気づきが生まれていることは確かだと思います。

会社で働くって「そういうもの」?理想と現実のギャップ?

ただ、せっかく芽生えた社会に対する思いが、社会人になってどう生かせるか、社会の役に立ちたい、人のためになる仕事がしたいと思っていても、ほんとうにそれを実感しながら働き続けることができるのか・・・それは今の社会の中では難しいのかもしれません。企業の掲げる社会貢献への思いに共感できると思って入社しても、目の前の業務に追われるうちにいつのまにか見失ってしまうことも多いように感じます。

自分の仕事は誰かの役に立つかもしれないけれど、ほんとうにそれが社会にとって「正しいこと」なのか。自分たちが利益を得る一方で、持っていたものを奪われている人がいるのではないか・・・これが理想と現実のギャップ?そんなことを思うようになるかもしれません。社会の役に立ちたいというまっすぐな思いを持っていたはずなのに、いつの間にか、会社って「そういうもの」だし仕方ない、理想なんてきれいごとだしなあと諦めていく人が多いような気がします。

ESG、SDGsへの思い込み

ここ数年、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資やSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を耳にするようになりました。環境や社会問題への関心が高い方にとってはやはり良いイメージとして受け止められているのでしょうか。

恥ずかしながらわたしはつい最近まで、その必要性はよくわかるけど、会社の事業とのつながりがあまり見えない、本来の事業とは別の文脈のように感じてしまっていました。会社の事業と環境・社会問題の解決がうまく結びつかず、企業の慈善活動やイメージアップの活動のように見ていたのです。おそらく、社会問題に取り組む中で企業が利益を得るのはあまり良くないような思い込みがあったからだと思います。(NPOに対しても同じような思い込みがありました)理想と現実の間にはギャップがあって当然、「そういうもの」なのだと。両立する方法を本気で考えようとしていませんでした。

そんな中、プレコチリコの長期的な事業計画をつくるうえでESG、SDGsの考え方は大きなヒントになる、という話を聞き、自分の中で気づかないふりをしていた違和感に気づいたのです。そこでようやく自分なりにそのつながりをちゃんと理解しようと考え始めました。事業として成果を出しながら、理想を追うことはできるのかもしれない。会社は「そういうもの」だと、多くの人が諦めてきた思いをふたたび育てることができるかもしれない、そんな期待も感じて。

会社の仕事で社会貢献への実感を生み出すことはできる

そもそもESG、SDGsは事業を制限・抑圧するものではなく、これからの長期的、持続可能な発展方法を示しているもの。つまり、長い目でみた新しい「当たり前」をつくる方法、手段とも言えます。現状の多くの会社が目先の利益を求めて「そういうもの」になっているのだとしたら、それを脱するチャンスでもあるのです。
よく聞く“持続可能性”、“サステナブル”といっても単に環境に優しい商品をつくるということではなく、買い続けたい、使い続けたいと思われる商品を無理なく作り続けられるサプライチェーンをつくること、という考え方も知りました。そうやって思い込みを外して、ことばの捉え方を広げていくことで、1人1人の仕事にも新たな意味が書き加えられる、深く考え、ほんとうに正しい方法を選んでいくことができると思えるようになってきました。環境や社会問題は、企業が責任を負わなければならない対象ではなく、新しい事業が生まれる、もしくは元々の事業が変わるイノベーションの機会だと捉えて、メカニズムを考えていく。すると社会とのつながりがわかり、そこで自分の仕事がどう貢献していくか実感できると思います。

平日は会社で必死に利益を追い、休日はボランティアで慈善活動、そんな生き方もあるかもしれないけれど、日々の仕事の中で社会貢献、使命感を感じられたほうが「働きがい」「生きがい」を得られる生き方になるのではと思います。それが「生き残る」ではなく「生きる」道なんじゃないかと。そしてそんな風に働ける会社・組織の存在そのものが社会貢献になるかも、そう思えるようになってきました。

偉そうに書いてみましたが、わたしもまだまだ勉強しはじめたばかり。それでも、これからの企業での働き方、生き方がどう変わっていくか、ESG、SDGsを考える中で見えてくるものがあると感じています。社会の役に立ちたいと考える、これから社会人になる人たちや働き方に悩む人たちにとってもこれから先の「持続可能な生き方・働き方」を考える手掛かりになるのではないでしょうか。