働くことと表現することは矛盾しない! 芸術を社会に活かすには

働くことと表現することは矛盾しない! 芸術を社会に活かすには

◆社会にでると表現できない?

大学で学んできたことを活かそうと思い、就職活動をすると、業界やら職種やらは極端に絞られてしまいます。
私は芸術大学の出身ですが、大学で学んだ技術的なことが直結する仕事を探すと、新卒採用がなかったり企業の考え方(スキルが大切!みたいな考え方)が合わなかったりして、なかなか就職活動にやる気がでませんでした。

一時期はやっぱり働くことと表現を続けることは切り離さないといけないのかなと思っていました。
しかし、プレコチリコで働いている今、働くことと表現することはしっかり繋がっています。その繋がりは、技術的なものではなく、スキルよりも本質的なものに宿っています。

 

 

◆芸術と社会のむすびつき

私の出身校のホームページにこんな言葉がありました。

「社会を変えるような芸術を学ぶつもりなら、もっと深く「根」を伸ばさなければいけない。「変える」ということは、これまでのあり方をいちから見つめ直すことでもあるから。」

社会に対して生きづらさを感じている人が大勢いる、この社会というのは何なのだろう。
その社会を、政治でも経済でもなく、芸術で変えるというのは、どういうことなのだろう。

このページには、こんな言葉もありました。

 「するどく問題を発見する目を持ち、豊かな想像力で、その問題を解決する形や仕組みを提案できる。芸術には、そんな能力を育てるチカラがある。」

芸術で社会を変えるということは、技術を習得し、それを駆使して作品をつくることとはまったく別物であることが、上の二つを読むと分かります。
社会を変えるような芸術とは、社会の問題を鋭く見抜き、構造を抜き出して、新しい価値を生み出すことに他ならないのではないかと思えてきます。

 

 

◆ガクチカではない本当の強み

「なんで表現とか芸術とかしているの?」
芸術大学の出身であってもなくても、もし表現することや社会を変えることに少しでも興味があるのなら、考えてみてほしいです。私は面接のとき、プレコチリコの採用担当の方からこの問いをいただきました。
自分が得意だから。好きだから。楽しいから。
多少はあれどぜんぶ違う。しっくりこない感覚が私にはありました。

なぜ作品をつくっているのか。なぜ作品を届けようとしているのか。

それをずっと考えていくと、自分の根底が見えてきます。
「あ、私はこんなふうに思っていたから、作品をつくっていたんだ」と気付きます。

大学で何をやってきて、どんなスキルが身について、それを活かして働きたい。なんてガクチカのテンプレートみたいな言葉より、自分がなぜ芸術に惹かれていて、スキルだけではない芸術を学んでいるのかを考えれば、ずっと価値のある「学生時代に力を入れたこと」が言葉になるように思いませんか?

 

 

◆学校は教えてくれないこと

芸術はお金にならない。なんて言葉はよく聞くし、否定する根拠があるわけではありません。
私は学生時代、自分がつくったものに値段をつけるのが、とても難しいと感じていました。制作にかかったお金を回収するだけなのか、価値をのせた金額をつけるのか。その価値はどう判断するのか。時間なのか他者との比較なのか、発想の新しさなのか。では、時間をお金に換算するとは? 発想の新しさに値段をつけるとは?

見えない価値を、現代社会においての価値尺度であるお金によって均一化して、見えるようにする。それは、どこか商業的で芸術の奥行きを奪ってしまう気配も孕んでいる。
でも、私たちはお金がないと生きていけない。お金では表せない価値があるのだ、と思っているのに結局はお金に縛られる。
そのシステムから逃れることは基本的にできやしない。

すると、やっぱり表現すること(芸術)と働くこと(お金、ビジネス)は相容れないように感じてしまいます。社会は虚しくて、どうしても孤独から逃れられない気がしてきます。

そのとき「そもそも、なぜ?」の問いが私の中で熱を持ち始めました。
なぜ、自分が芸術を志したのか。なぜ、表現することをやめられずにいるのか。
私の場合、その問いをプレコチリコにもらって、考え続けていたら、行きついたのが、
プレコチリコに就職することでした。
自分が芸術を通してやりたかったことと、プレコチリコが事業を通してやろうとしていることが図らずも重なったのです。
そして、仕事をするほうが芸術だけを続けるよりずっと、自分のやりたいことを実現できる可能性を秘めていると確信しています。

 

 

◆迷ったら「そもそも、なぜ?」を問うてみる

6月が迫ってきて就職活動にも焦りがでてくる時期なのかもしれません。(私は去年の今頃になって、やっと焦り始めた人でしたが。)
それでも、就職活動の当たり前に流されて社会のベルトコンベアに乗るのではなく、立ち止まって本当の自分と対話してみてほしいと思っています。

もしかすると、みなさんの本音がプレコチリコの目指すところと重なるかもしれません。

ぜひ採用ページもご覧ください。

採用情報