【ニュースコラム】プーチンの立場に立って考えてみよう
マスコミは「プーチン悪人説」一色だが・・・
世界を騒がせているウクライナ情勢。悪の権化プーチンを打倒せよ!何の罪もないウクライナ市民がかわいそう・・・一辺倒の報道が流れるとき、それは常によからぬことの前兆である。それは歴史が証明している。ここで立ち止まって全体図を俯瞰してみるべきだろう。時間軸と空間軸を広げてみたい。あえて、プーチンやロシアの立場に立って考えてみよう。思考シュミレーションである。やったって損はない。
歴史を見返してみよう
日本は第二次世界大戦で300万人の死者を出した。アメリカのB29による東京大空襲で10万人。広島・長崎への原爆の投下で20万人ほどだったか(それ以外はほとんどが餓死であるそうだ、まあ、それは今は問うまい)。ロシアはどうか?第二次世界大戦でドイツに2300万人が殺されたそうだ。それもそのほとんどが戦場で、らしい。要はドイツの軍隊に殺された。もう少し遡ると、日本が江戸時代だったころ、フランスのナポレオンがロシアの人々をぶっ殺していた歴史も思い出す。日本では300万人でも酷かったと思っているのに、ロシア人はその何十倍も他国に殺された歴史を持つ。
ロシアの状況を日本に置き換えると・・・
もしこれが日本だったらどうだろう?例えば、中国に明治時代、侵略されていたら、第二次世界大戦でアメリカに2300万人の日本人が殺されていたら。そして、東京と地続きである埼玉県あたりに、中国の軍隊がミサイルを配備したら・・・恐ろしくて眠れまい。
世界は多面体である
冷戦崩壊後、アメリカを中心とするNATO(北大西洋条約機構)は、旧ソ連圏の国々を次々引き入れ、ロシアの国境近くにまで武器を配備していった。冷戦崩壊直後、ロシアと交わした東方拡大をしないという約束をすべて無視して、自分たちの利権を拡大していった。NATOも官僚組織である。ソ連が崩壊して、その存在意義を失いかけていたのである。職を失う恐怖が彼らを東方拡大へ駆り立てても不思議ではない。一度手にした生活の糧はなかなか手放せないのが人間である。
しかし、ロシアにはどう映るのだろう?過去、カトリック・プロテスタント圏の人々に惨殺された歴史を持つのである。それで約束を無視される形で軍隊が自国に迫ってきているのである。脳裏をよぎるのが昔の悲惨な歴史であっても不思議はない。ものすごい恐怖が支配したとしても不思議はない。
世界史は多面体である。立場によって見え方は180度変わるのである。現在のマスコミはアメリカの立場のみを表明しているだけである。それも重要な立場であろうが、それならロシアの立場も同じくらい重要である。もちろんウクライナも。そこに住む人々も、だが。
要は多面的に見ることを怠ってはまずいということではないか。
ロシアの日本大使がテレビで言っていることも、真摯に聞く必要があると思う。感情に流されて、ウクライナの人々を憐れむのは心地よいものである。自分が優しい人間だと再確認したいだけかもしれないのに。
アメリカがNATOから抜ければ、ことは収まるのではないか?アメリカの左派からも同様の主張が聞こえてくる。日本の報道は、イコール、アメリカの立場の表明に過ぎない。日本とアメリカが結ぶ地位協定は世界に類を見ない片務的なモノである。そこでは日本はアメリカの属国扱いなのである。それをこそマスコミは報じるべきではないのか。
多角的に捉える努力が必要である。