【採用コラム】会社の選び方 

プレコチリコでは採用活動も行っています。とはいえ、プレコチリコとしてはスタートしたばかり。これからプレコチリコを一緒につくっていく人を探したいと思っているけど、これまで続いてきた、「プレコチリコを始める前の会社」としての限られた情報しか出せない状況が続いていました。特に、新卒採用は難しいのかなあ・・・なんて思っていましたが、なかなか情報が出ていないのにも関わらず、「もしかしたらおもしろい会社かも?」と思ってきてくれる方も何人かいました。

わたしの就活経験

小さいころ、「花屋さんになりたい」「デザイナーになりたい」「プロ野球選手になりたい」となりたい職業を思い描くことはあっても、「こんな会社で働きたい」と考えることはあまりなかったように思います。私自身も真剣に会社選びを考えたのは大学3年生、就活が始まってから。(当時は3年生の冬から解禁でした)何かの職業につくという認識はその頃にはあまりなくて、じゃあどこかの会社に入ることになるだろうけど、今まで会社について考えることがそもそもなかったので、何を基準にすればいいのか、世の中で出回っている情報をかき集めること、“失敗”しないようにと、世間の基準と比較することばかりに目を向けていました。企業研究とか、自己分析とか「就活のためにやること」の本当の意味を理解できず、でも「やらないといけないことらしいしなあ…」と自分を納得させて、面接でも上辺の言葉しか出せず、真剣に会社と向き合えていなかったように思います。

そんな中でも、自分の思いを引き出してもらえたような面接を経験し、「自分の本当の気持ち」を語れるこの会社に入りたい!と感じ、新卒でここではない会社へ入社。会社の規模とか、業種のイメージ、福利厚生などの条件面ももちろん考えましたが、一番は「自分が入りたいと心から思えた」から迷いなく決められたと思います。

結果的に5年間働いて、この会社へ転職しましたが、最初に入った会社についても新卒で入る会社として選んだことに後悔はありません。恐れていた“失敗”もなかったと思っています。

「採用市場」の違和感

今、採用の業務に携わるようになって、改めて会社選びってどうすればいいのか、この情報が溢れている時代にどう探していけばいいのかと考えるようになりました。

今や転職も珍しいことではないし、雇用形態も様々で、個人の会社とのつながり方は変わってきていると思います。求められるスキルを磨いて自由な働き方ができる会社を選ぶ人も多くいます。では、会社は単なる所属先でしかないのか?自分の力を試す場所?会社の機能として「使われる」関係なのか?かつて日本の会社のイメージにあったような、会社と社員の絆とも思える関係、愛社精神、社員同士家族ぐるみでの付き合い方などは邪魔なものなのか?ライフワークバランスは仕事とプライベートを切り離すことなのか?正解なんてない、会社に入った後も「この会社で働く意味」はそれぞれが考え続けなければならないことです。

「就職活動」という枠組みの中で、初めて働く会社を選ぶ学生は、それぞれに働く自分のイメージを思い描いているようです。仕事内容だけでなく会社に対しても「風通しのよさ」やベンチャーだと「挑戦できる」「若いうちからの裁量権」などという言葉、はたまた売上や社員数などの数字によって目に見えない会社というものの形をとらえようとしていると思います。

様々な、大量の情報が行き交う中で、言葉や数字を拾い集めて形をとらえることはそう難しくないのかもしれません。オンライン上のやりとりでもできるかもしれません。でも、それはそもそも形がないものを無理やり形にしようとしているだけ、そしてそれは日々、生命体として動いているのです。同じように自分自身もずっと変わらないわけではない存在です。言葉や数字の羅列ではなくて、生き物同士だということは意外と意識されていないとうに思います。

生き物として会社を捉えること

形にできないもの同士だからこそ、どんな繋がり方をしたいのか。それは誰かの意見ではなくて、自分が心から思うことなのか。そういう風に会社をみてみるのも1つの方法です。会社に繋ぎとめられるのは違うけど、確かな繋がり、心から信頼できる関係性はつくりたい。そう思う人にとっては、わたしたちの会社はいいなと思うのかもしれません。たとえ情報が少なくとも、小さな希望を持って来る人たちの中にもそんな人がいるように感じます。

今年はコロナウイルスの影響もあり、就活生もそれぞれ苦労している様子。オンライン説明会、オンライン面接で自分が働く会社を決めるのはかなり難しいことだと思います。もちろんオンラインのいい面もあるとは思いますが、わたしたちはオンラインでの選考は行わず、可能な限りお会いして面接を行うことを続けてきました。インターネット上で事業をしてはいますが、その部分ではリアルにこだわっているのです。そこには、「ほんとうに、会社を理解し、一緒に事業をしたいと思える人」と一緒に働きたいという真剣な思いがあります。

ほんとうに繋がりが作れるかどうかは、やはりリアルな対話を通して感じ取っていくしかない。会えることが当たり前じゃなくなって、今後もしかしたら形を変えないといけなくなるかもしれないけれど、今はできる限りそうしたいと、改めて思いました